コイスルハナビラ SAKURA
第7話『Welcome!』
溢れる新緑も、群青色に染まっている山道。
少し前まで鱗雲(うろこぐも)を染め上げていた夕日も、今はすっかり西の空に沈んでいる。
さっきの空は、綺麗だったな……
あたしは、少しだけ車の窓を開けた。
夕日に染められた鱗雲は……
まるで、赤い絨毯(じゅうたん)みたいだった……
窓からひんやりとした風が流れ込み、物思いにふけるあたしの頬をなでる。
それは山の空気というだけではなく、訪れる夜の深さも表しているような気がした。
道路脇にあるお店には、仲の良さそうな夫婦と、その子供たちという組み合わせが何組か見られる。
春休み最初の土曜日ということで、家族でレジャーに来たというのが簡単に想像できた。
道行く車にも目を向けてみる。
車は、県外ナンバーも少なくはない。
でも……きっと、あたし達くらい遠い人は少ないんだろうな……
そんなことを思いながら、あたしはすれ違う車を眺めていた。
少し前まで鱗雲(うろこぐも)を染め上げていた夕日も、今はすっかり西の空に沈んでいる。
さっきの空は、綺麗だったな……
あたしは、少しだけ車の窓を開けた。
夕日に染められた鱗雲は……
まるで、赤い絨毯(じゅうたん)みたいだった……
窓からひんやりとした風が流れ込み、物思いにふけるあたしの頬をなでる。
それは山の空気というだけではなく、訪れる夜の深さも表しているような気がした。
道路脇にあるお店には、仲の良さそうな夫婦と、その子供たちという組み合わせが何組か見られる。
春休み最初の土曜日ということで、家族でレジャーに来たというのが簡単に想像できた。
道行く車にも目を向けてみる。
車は、県外ナンバーも少なくはない。
でも……きっと、あたし達くらい遠い人は少ないんだろうな……
そんなことを思いながら、あたしはすれ違う車を眺めていた。