world end after tale
ゼノはどういった娘が好きなのだろうか?
こんな感情もはじめて持った。
今まで気にしたこともなかった…いや、気にすべき相手がいなかったと言うべきか。
ただ食って生きていられれば良かったのだ。
復讐のために。
だが、何故かあんなに憎かったあの男の顔を忘れつつある。
私はゼノの事で頭が一杯になっていた。
容姿も気にしだした。
何処か変じゃないかなと不安になる。
初めて森で会ったとき、私が素っ裸だったのを思い出すと、今でも赤面してしまう。
あー恥ずかしい。
会ったときは何も思わなかったが、人という生き物は服を着るのが普通なのだ。
私は火事で全て燃えてしまったため着る物もなく裸で生活していた。
それがいつの間にかあたりまえになり、裸でも何も感じなくなっていたのだ。
あと、言葉もかなり忘れていた。
話す相手もいなかったので、使わないうちに忘れてしまったのだ。
だが、ゼノと生活しているうちに、徐々に思い出してきた。
街の人と今では普通に話せるくらいになった。
しかし、こういったイレギュラーな事態が起こると話しは変わってくる。
今日、私が薙ぎ倒した奴等も、普通ならゼノがかばって倒してくれるというのが一般的だ。
そんな法則を無視して私が倒したなど、世間から変な目で見られても仕方がない。
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