world end after tale

奴隷がすぐに対応し、馬車は停車した。
私は馬車から降りて先を見据えた。
…いる…
あのアサルトケルベロスを遥かに凌ぐ化け物が…。
やっと見つけた。
そう誰かが言った。
「！」
瞬間、目の前に人が現れた。
それは一人の女だった…
「ミ…ルティ…」
生きているはずがない…私が殺したのだから…だが、その過去を否定するかのように、間違いなくミルティは目の前にいる。
「だから…死ね」
そう短く言ってミルティは手を薙いだ。
烈風が辺りを切り裂く。
瞬時に魔法障壁を展開し、被害を防ぐ。
「やだ、止められちゃった」
何処か楽し気にいうミルティ。
「何故…生きている…」
戦争の…あの戦争の終わりに私が、確かに殺したはず…
「どうしてって言われても、当然の結末よ？神様がね、私に貴女を殺せって言うの」
なにを戯言を言っているんだ。
そんな訳がない…
だが、あのとき、彼女を助けられるような人間はいなかった。
確実に殺したのだから。
「お前は本当にミルティなのか？」
馬鹿げた質問に馬鹿げた答えが帰ってきた。
「違うわ。今はアーティアって言うの。だって私はもう人の子じゃないもの」
なんなんだ、何かがおかしい。
驚異的な違和感を覚える。