甘い心はあなた一色




「……誕生日、知ってたの?」



7月30日。



今日は夏嫌いなあたしの誕生日なんだ。



「もちろん。紗英子さんのことだから」



「えっ?そうなの?」



「うん。だから――」



そう言うと、織くんがズボンのポケットから何かを取り出した。



「これ……」



「誕生日、プレゼント」



差し出されたのはキラキラ光った、



「……ブレスレット?」



「うん。これならいつも付けられるかなと思って」



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