甘い心はあなた一色
「紗英子さん、進学しないの?」
唐揚げを口に持っていこうとしたら、不思議そうな織くんと目が合う。
「え?うん。しない!」
「一応ここ、進学校なのに?」
まぁ確かにここは進学校だけどさ。
毎年2割くらいの生徒は、就職してるじゃん。
「あたし、就職するよー」
「……そうなんだ。知らなかった」
「あ、ごめんね。言ってなかったね」
言うまでもないかな、なんて自己解決しちゃってた。
言ってもよかったかも。