甘い心はあなた一色
「緒方くん、紗英子に魅力を感じないのかな?」
「え?」
「やっぱり最初で流されたか」
「えぇっ!?でっ、でもあたしこれもらったもん!」
指さす先には誕生日にもらったブレスレット。
今日もあたしの左手にキラキラ居座っている。
あのときの嬉しさといったら……。
「うん、それは夏祭りの勢いってやつでしょ」
「え……」
なんて薄情なの!!ヒドいよ美知ー!
「まぁ、自分で確かめてみたら?がんばって」
他人顔で美知はカップに口付ける。
「え、そ……」
そんなぁぁ!織くんに限ってそんなことって!!