甘い心はあなた一色
「いいの?彼方くん何か言いたそうだったけど」
美知があたしと教室の中の彼方を交互に見る。
「知らなーい」
もう彼方なんか知らない。別にいいもん。
「幼なじみのケンカにあたしを巻き込まないでね」
「ケンカじゃないもん」
っていうかどうせ授業が終わって教室に戻れば、元通り。
あたし達は本気のケンカなんてしないよ、ずっと一緒にいる幼なじみだもん。
相手のことは、互いに一番よくわかってる。