甘い心はあなた一色
はぁぁだめだ。俺撃沈。
「さすが紗英子さん」
無自覚なのが、すごいよ。
俺の気持ちもお構いなしで。
「ちょっとは自覚してよ」
チュッとおでこにキスすると、微かに紗英子さんが笑った気がした。
紗英子さんが笑ってくれるなら俺はなんだってしよう、なんて。
寝顔を見ていたら、柄にもないことを思ってしまった。
でももしこれからもずっと一緒にいられるのなら――。
「好きだよ、紗英子さん」
毎日隣で、無防備な寝顔を俺だけに見せてほしい。