甘い心はあなた一色
「おい、お前ら」
あたしの隣にいたはずの彼方の瞳が、しっかりと女の子達を捉えていた。
「なにも知らねぇクセに、勝手なこと言ってんなよ」
行くぞとあたしの手から焼きそばを奪って、あたしの手を引いて歩き出す彼方。
「ちょっと彼方!?女の子達が……」
女の子達が泣きそうな顔してるんですけどー!
「あんなのほっとけ」
「あたしは大丈夫だけどそれより……」
「いいって言ってんだろ!」
初めて彼方に怒鳴られて、あたしは体をビクリと震わせた。