甘い心はあなた一色
「ほら行けよ。彼氏が呼んでる」
「う、うん……」
そう言われて織くんのところに行くけど、頭の中は彼方のことでいっぱい。
どうして怒鳴ったりしたの?
どうしてさっき――織くんのところに向かうあたしを、悲しそうな瞳で見てたのー?
「多部先輩がどうかしたの?」
「えっ?ううんなんでもない」
さっきのことは、織くんには話せないよ。
なんだか、幼なじみの間のことのような気がするんだよね……。
「そ?じゃあ行こうか」
「うんっ!」
せっかくの文化祭なんだし、楽しむことにしよー!