甘い心はあなた一色
「え……?」
「あたしも、彼方が大切だよ。だから……わっ」
続きを言う前に目の前が真っ暗になって。
抱きしめられてるんだってすぐにわかった。
「か、彼方?」
「もう自分の気持ちを隠すの、やめるよ」
「え?」
「好きだよ、紗英子」
ドキンと胸が鳴った。
え、な、なにこのシチュエーション。
一回落ち着け、あたし。
今あたし彼方に抱きしめられてるんだよね?
あれ、なんでだっけ。
そしてそれから――……。