甘い心はあなた一色
あたしの涙を笑いながら拭う彼方が、一瞬真剣な顔になった。
「なぁ、紗英子」
「……ん、なに?」
「これからも、俺の一番の幼なじみでいてくれるか?」
これからも、幼なじみで?
「当たり前だよー!!」
幼なじみでいるに決まってるじゃんかっ!
「よかった。大切な存在だから」
笑う彼方に、あたしも笑顔になった。
あたしだって大切だよ。
なくしたくないんだ、彼方とのこの関係を。
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