甘い心はあなた一色
それぞれの大切な存在
《織side》
部活のミーティングが終わった瞬間、一番に体育館を出た俺が向かう場所はただひとつ。
急げ、紗英子さんが待ってる。
昇降口に続く廊下に入ると、女の子の声が聞こえた。
……なんだ?
徐々に見えてきたのは、女の子2人に囲まれている紗英子さんの姿。
え、なんで?
「なに、じゃないわよ。調子乗らないでよっ!」
ドン、と紗英子さんの肩が押された。
紗英子さんが危ない!
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それぞれの大切な存在