甘い心はあなた一色





「……ありがとな、朱音」



「別に。紗英子先輩には仮があるし」



「あ、そう」



ちょっと照れた様子の朱音に、笑みがこぼれた。



……俺、バカだな。



もう少しで大切な人も幼なじみも、無くすとこだったよ。




「じゃあ俺、行ってくる」



「うん、がんばれ織」



にっこりと笑う朱音に背中を押されて、俺は昇降口に向かった。




< 312 / 396 >

この作品をシェア

pagetop