甘い心はあなた一色
『お前が俺のせいで今日みたいに何かされてたら、かばってやるし』
『お前が寂しいときは、全部を捨ててでも駆けつけてやるよ』
さっき多部先輩が紗英子さんに言ってたことは、本気だったんだと思う。
だから多部先輩ならやりかねないよな、まったく。
彼氏だからって紗英子さんが好きでいてくれたって、全然油断はできないな。
「じゃあ俺、本当に行くから」
「あ、うんわかった。彼方ばいばい」
「おー。そうだ、緒方」
多部先輩が俺を見て、なぜだか緊張してしまう。