甘い心はあなた一色




「まぁ――正直めちゃくちゃキスしたいけど」



「へっ……」



キスしたい、なんて。



あたしもう、織くんに溶かされちゃった。



「えっ、紗英子さん?」



ガクンと崩れ落ちるあたしを、織くんが腕で支えてくれた。



「……織くんの、バカ」



「え?どうしたの?」



「あたしも……」



「ん?」



「あたしも、キスしたいのに」



あたしの言葉に織くんはポカンと口を開けた。



え、あ……あたし何言って。




「あ、ご、ごめん織く……んっ!」




< 323 / 396 >

この作品をシェア

pagetop