甘い心はあなた一色
織くんは微かに頬を染めていて、あたしまで赤くなった。
それって……。
「いつか俺が一人前に自分で稼げるようになったら、ちゃんと言うから」
織くんがあたしの左手を持ち上げて、軽いキスを落とす。
「だから、ずっと傍にいて」
「織くん……」
「紗英子さんは、ずっと俺だけのモノでいて」
流れる涙を拭いながら、もうなんて言ったらいいかわからなくて。
「し、きく……それ、プロポーズみたいに……聞こえるよ?」
ギュッと抱きついて大泣きするあたしを、織くんは優しく抱きしめてくれた。