甘い心はあなた一色
SWEET-9
あたしは織くん一色
「おい、大丈夫か?」
あたしの顔をのぞき込む、彼方。
「う、う、うん……」
「はは、絶対大丈夫じゃねぇな」
そう言ってあたしにハンカチを渡してくれた。
そんなあたしはもう、今すぐにでも涙が溢れてしまいそう。
時の流れは早いもので。
今日はあたし達の卒業式だ。
「紗英子、泣きすぎじゃない?」
そんなあたしを呆れ顔で見る美知。
「だ、だってぇ……」