甘い心はあなた一色
「じゃ、俺たちは行くから」
「じゃあねー」
あたし達に気を遣ってくれたらしく、あたしと織くんを2人きりにしてくれた。
「紗英子さん、卒業おめでとう」
笑顔の織くんが、大きな花束をあたしにくれた。
「……へへ、ありがとう」
綺麗な花。いいにおいだし。
「泣きすぎだね」
「だって、なんだか寂しくて」
終わっちゃうんだもん、あたしの高校生生活が。
みんなとバカばっかりして、たまに先生に怒られて。
きっとこんなに楽しいこと、もうないよ。