甘い心はあなた一色
「へ、っち、ちょっと待って!」
赤くなった頬を隠そうとした手を、織くんに掴まれる。
「――待てない」
「んっ……」
再び唇が塞がれたら、もうなにも考えられなくなる。
織くんの指が、あたしの頬を撫でて。
優しく体を引き寄せられる。
……好きなの。
織くんのことが、誰よりも好きなの――。
唇が離されて、織くんが優しい瞳であたしを見た。
「紗英子さん」
「……ん、っ?」
「愛してる」