甘い心はあなた一色
「紗英子さんの働いてるカフェ、男にも人気らしいじゃん」
「え?……うん?」
「それ、紗英子さん目当ての客がいるんじゃないの?」
「はい?」
予想外の言葉に体を離すと、ブスッとした顔で織くんがあたしを見ている。
……え。か、可愛い。
「えっと、織くん?あたし目当てのお客さんなんていないよ?」
にっこりとそう言うと、織くんがあたしのおでこをコツンとつついた。
「紗英子さん、美人なんだよ?自覚してよ」
「織くん……」
そんなんじゃないのに。
あたしは織くんビジョンでは、いったいどう見えてるんだろう。