甘い心はあなた一色
「……紗英子、さっきのなんだよ」
移動教室の途中、廊下で彼方があたしの隣を歩きながら聞いてくる。
「別にー?」
「別にってなんだよ。今日だって先行くとか言って、勝手に学校行ってるし」
「早く行きたかったんだもん」
それで美知に早く言いたかったんだもん。
彼方には関係ないでしょ。
そんなこんなで2人で言い争いをしていると。
「紗英子さん?」
あたしの名前を呼ぶ、天使の声が聞こえてきました!