甘い心はあなた一色




『えっ、織くん!?』



『大切にお願いします。俺の彼女なんで』



――え?



はぁ?って顔をしている彼方の機嫌を気にしていたあたしは、織くんの言葉で胸を踊らせてしまった。



“俺の彼女”



むふふふっ。そんな風に言われるなんて夢みたい……っ。



「おい聞いてんのか紗英子!」



――ハッ。いけない妄想の世界に行ってた!



「え?あ、うん聞いてるよ」



「ふざけてんな、緒方織?ちょっと顔がいいからって、生意気なヤツだ」



< 93 / 396 >

この作品をシェア

pagetop