胸キュン *イケメンに限る

・気が利いて、ジェントルマンである




「…以上をもちまして、

閉会の言葉とさせていただきます。

それでは、生徒の皆さんは

担任の先生に従って、各自の教室まで

移動して下さい。」





ザワザワザワ




校長先生のありがた〜いお話が終わり、

みんな一斉に立ち上がった。




「おーい、純子ーこっちー!」




振り向くと、

美優ちゃんが手を振っている。




「あ、美優ちゃん!今行く!」





そう言って走り出そうとすると…






ドンッ






ちょうど、

こっちに歩いてきた人と激突した。



「っ…いったー…」




衝撃で吹き飛んだ私(実際、そんなに吹き飛んでません。)に




スッ





白くて指の長い

しかし、

私よりもずっと大きい

綺麗な手が差し出され、



「大丈夫ですか?」




心地良いテノールボイスが

そう問いかけてきた。



ドキンッ




「あ、あ、あ、ありがとうございます。

だ、大丈夫です!」



おずおずとその手を取り、

どもりながらもお礼を言って

声の主を見上げると…




そこには、

予想通り王子様のように

シャープな輪郭

高い鼻

綺麗に整えられた眉と髪

大きすぎないフサフサのまつ毛の目

薄い唇

きめ細かな白い肌




ではなく、




普通の男の子が立っていた。




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