シークレットガール
「急に飛び出して行くから、心配したんだよ」


部屋に戻ると、愛華が不安そうな顔をする。


「ごめん」


本当は戻ってくる気はなかった。


でもここに居たほうが個人で動くよりは、ここに居たほうが情報を掴みやすいと思った。


現に今のあたしは、八方塞だ。


陸を利用すると決めたんだから、有効的に使わせてもらう。


月光の彼らを、、、


山吹は、素直に戻ってきたあたしに疑いの目を向ける。


あたしの性格を知っている山吹からしたら、不思議なことなのだろう。


そんな山吹を気に止めずに、特にすることもなく過ごした。


日が暮れて、本当にそろそろ帰ろうと立ち上がる。


「帰る」


まだ話をしてる陸に言い、1人で帰ろうと思った。

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