シークレットガール
「桜子(さくらこ)も罪な女だよな」

「その女に、山吹だって惚れたくせに」


山吹も母親のことを好きだった。


好きと言うか、付き合っていた。


「1番罪なのは、本当のことを隠し続けてる、お前の方かもな」


そう言って、あたしの腕を掴む。


あたしは山吹の頭を自分の方に引き寄せ、唇を重ねた。


「山吹も共犯でしょ」


あたしの言葉に、山吹は笑う。


「そうだな。、、、悪いな、リン」


山吹はあたしの左肩にある火傷の後をなぞる。


そこには、古いものから真新しいものまである。


「これで柚の気が晴れるなら、安いもんなんじゃない?」


この火傷は、柚があたしにしたこと。

< 11 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop