シークレットガール
そう思うのは、タカヒロだけであって、あたしはそう思わない。


建物の中から出たのに、タカヒロはあたしについてくる。


それはいつものことなので、特に気に止めない。


「今回は何調べてんの?」


警察でも知ってる人間は、泉谷の人間だけ。


それなのに、タカヒロが知って居るということは、、、


「また、盗み聞き?趣味悪いよ」


あたしは、タカヒロのことを睨む。


タカヒロに、あたしがしていることがバレたのは日本に帰って来て数ヶ月後のことだった。


「どうして知っているのか」と聞けば「聞いちゃった」と、惚けたように答えた。


「怒んなよ」


少し、落ち込んだように言う。


怒るとわかっているなら、盗み聞きなんてしなければ良いのに、、、

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