シークレットガール
それは、いつもふざけている楓はなかった。


警察官の顔をした、楓だった。


「何が」

「分かってて聞いてるのか?それとも、分からなくて聞いているのか?」


楓はあたしが前者だと思って聞き返しているのだろう。


楓が思っている通り、あたしは前者だ。


あたしがここに来たのは、メールを見たからだ。


そして、あたしは薬を処分した。


「、、、なかった」


あたしは楓に嘘を言った。


楓はあたしから、視線を逸らすことをしない。


「ただの、イタズラだったのよ」


椿が楓に言う。


でも、楓はあたしから視線をズラすことをしない。


「楓」

「リン。本当のことを言え」


楓には、お見通しのようだ。

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