シークレットガール
「本当のことを言え」と、言われても、あたしの手元に薬はもうない。


もう、ここに薬は存在しない。


「本当の、、、」


__ブーッ、ブーッ__


ポケットの中で携帯が震える。


携帯を取り出すと、着信だった。


しかも、非通知の。


こんな時に電話してくるなんて、、、


そう思ったが携帯を耳に当てる。


『リンは、あたしと同じ人間だと思ってた』


ボイスチェンジャーで声を変えているが、電話の相手が誰だか予想は付く。


あたしは何と答えて良いのか分からず、黙り込む。


『どうして、薬を捨てたの。警察に見つけさせたら、月光を潰せたのに』


どうして、薬を捨てたことを知ってるの?


あたしは辺りを見渡す。

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