シークレットガール
電話の向こうの相手は、何も答えない。


「リン、あたしに銃を向けさせないで」


椿が、あたしに銃を向けながら言う。


「あたしは、裏切ったつもりなんかない」


そう、あの日から一度だって、、、


電話の向こうの相手は、ちゃんと聞いてくれているのだろうか。


「リン、どういう、、、」

「どうして、みんなを傷つけるの?、、、どうして」


あたしは椿の問いに答えずに、話を続ける。


柚はみんなに、愛されてたじゃん。


あの男にだって、楓や椿にだって、、、


いつだって周りの人間に愛されてたのは、あたしじゃなくて柚の方だったじゃん。


なのに、どうしてそんな柚がこんなことすんの、、、

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