シークレットガール
~ 陸 ~


リンが窓から飛び降りて、警察の奴らも俺らも時間が止まったような気がした。


目の前で起きていることが現実なのかさえ、分からなくなった気がした。


リン!!


でも必死に自分を保ちながら、リンが飛び降りた窓へと向う。


地面に叩きつけられたせいで、リンは血まみれだ。


救急車、、、


まだ、リンが死んだわけじゃない。


「おい!救急車呼べ」


俺は警察の奴らに言う。


大の大人だというのに、凄く困惑しているようだ。


「早く!!」


イライラが募り、多き声が出る。


「俺が呼ぶ」


泉谷警視が言う。


泉谷警部の方は、震えながら「リン」と何度もリンの名前を呼びながら、その場から、動けずにいた。

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