シークレットガール
これで柚が落ち着くなら、良いとさえ思った。


このことを知っているのは、山吹だけ。


山吹にだって、言うつもりはなかった。


でも体を重ねてる以上、見られるのは仕方のないこと。


あまりにしつこく聞くもんだから、渋々あたしは口を開いたんだ。


話を聞き、山吹は複雑そうな顔をした。


山吹は、あたし達家族とは切っても切れない繋がりがある。


そんな山吹に漬け込んで、あたしは山吹から裏世界の情報を得ている。


山吹と体を重ねたのは、本当に情報を得るためだった。


でもこの傷を知って、山吹はあたしに「申し訳ない」と思ったのだろう。


だから今もお互いの秘密を守るために、交換条件として体を重ねている。

< 17 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop