シークレットガール
ホント、あたしって生かされてるんだなって思うよ。


自分の意志じゃ死ねないんだから、、、


「、、さ、ん、、、た、、、た」

「何?リン」


椿があたしの口元に耳を寄せる。


「お母さんの所に行きたかった。死にたかった」


あたしの言葉が聞こえたのは、椿だけだったのだろう。


椿はあたしの言葉を聞き、涙をボロボロと溢す。


そして、病室を飛び出して行った。


「お前、何言ったんだよ」


椿を傷つけるような言葉を言ったつもりはなかった。


でも傷つけてしまったなら、もう誰にもそんなことを言っちゃいけないんだと思った。


「愛華、いい加減離れて。重い」

「あ、ごめん」


愛華が離れて、少しだけ楽になる。

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