シークレットガール
あたしがそんなことを言ったから、お母さんはあたしのために花火大会に連れて行ってくれたんだよね?


『リン、行こっか。花火大会』


その言葉に、凄く喜んだんだ。


あんなことになるとも、知らずに、、、


お母さんを真ん中にして手を繋いで歩いたあの道を、あたしは今も歩くことが出来ないんだ。


思い出してしまうから、、、


だから遠回りになっても、その道だけは避けてるんだ。


花火大会の会場に近づくにつれて、人通りが多くなる。


出店の前にはたくさんの人のだかりが出来ていた。


その初めて見る出店たちに、子供のあたしもはしゃいだんだ。


だから、、、


お母さんの手を手放て、その出店に向って走って行ってしまった。

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