シークレットガール
『手紙を見つけた人へ』


手紙の封筒には、そう書かれていた。


『リンへ』


でも、中の手紙の宛名はあたしだった。


『リンへ

きっと、この手紙を見つけられるのはリンだけだと思う。

ママには、リン以外に考えられないもの。

パパや、楓や椿がこの宝箱を知ってるなんて考えられないでしょ？

それに、この手紙を見つけるのはリンじゃなきゃ困るの。

ここに書いてることは、ママとリンだけの秘密にして欲しい。

本当は、リンにも秘密にしておくつもりだった。

だけど、リンには知る権利があると思った。

だから、ママにいつ何があっても良いように書いて置こうと思います』


なんだか、その先を読むのが怖くなった。


でも、知りたいとも思った。

< 181 / 278 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop