シークレットガール
「死にたくなっただけ」


あたしは山吹を真っ直ぐに見て、言う。


それは、嘘なんかじゃない。


でも、誰もあたしのことを殺してくれない。


山吹の顔色が変わる。


「「死にてぇ」とか、簡単に言ってんじゃねぇよ」

 
怒ってる、、、


山吹がキレているということは、あたしだけじゃなくみんなが気付いたことだろう。


だって、病室の空気が一気に変わったから、、、


「山吹だって、思ったんじゃない?「お母さんじゃなくて、あたしが死ねばよかった」って」


山吹は知ってる、あたしが山吹の子供じゃないことを、、、


あたしがあの人の子供だと言うことも、、、


だから、普通なら山吹だってあたしのことを恨んでもおかしくないのに、、、


それを山吹はしない。

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