シークレットガール
そっと頬を撫でる。


「女の癖に、顔に傷なんか作ってどうすんだよ」


飽きれたように言われる。


「ねぇ、覚えてる?」

「何を」

「契約」


あたしは陸に視線を合わせる。



「どっちかが、本気になった時点でゲームオーバーって、最初に言ったよね」

「あぁ」

「あたし本気になったから、ゲームオーバーにしてくれない」


別に、陸のことを好きになったわけじゃない。


ただこれ以上、陸と関わりたくない。


これ以上、土足で人の心の中に入って来て欲しくなんかないんだ。


だから、終わらせる。


最初から決めてたこと、、、


聞き出せるだけ聞き出したら、自分からゲームオーバーにする、と。

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