シークレットガール
『自分の正義を貫け』


あの人の言葉を思い出す。


あたしの正義は、、、


「悪いことを悪いと認められない人間に、あたしは、、、なりたくない」


それが、あたしの正義だ。


貫くって、決めたんだ。


そんなことを佐伯にわかってもらおうとは思わない。


思ったところ、佐伯にわかるわけない。


自分がしたことも、佐伯は悪いと思っていないんだから、、、


そんな奴に、何を言ったって無意味だ。


「佐伯のこと連れて行け」


楓が部下の男に言う。


「えっ、でも、、、」

「佐伯に逮捕状が出ている以上、俺らがやることは決まってる」

「す、すいません」

「いや。とりあえず、佐伯のことは突っ込んでおけ。後は、泉谷警部と話をつける。お前らは、先戻ってら」


楓がそう言うと、他の刑事たちは少しずつ部屋から出て行った。

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