シークレットガール
部屋には刑事が居なくなり、とても部屋が広く感じる。


「警察の人間になったのか?」


山吹があたしに尋ねる。


だから、あたしは警察手帳を見せる。


「お前、もう警視なのかよ」


楓が驚いたように言う。


そりゃ、そうだ。


「リンは15歳でキャリアの組になったんだから、順調にいけば当たり前のことでしょ」


警察の人間じゃなきゃ、そんなことを言われてもわかるわけない。


あ、そういえば、外で柚とタカヒロのことを残したままだった。


あたしは小走りで、彼らのところに向かう。


「佐伯さんのことも、わかってたんだな」


タカヒロは佐伯が手錠をして出て来たのを目の当たりにして、聞いているのだろう。

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