シークレットガール
海外に居た時間の方が長いあたしにとって、キスなんて挨拶なようなもの。


一々、それに反応なんてしてられない。


あたしは家に向って歩き出す。


そんなことより、早く行かなければ、、、


家に入り、着替えをする。


胸下まである髪をウィッグで隠し、少し大きめのパーカーに、デニム。


鏡に映る自分。


「完璧」


そして、家を出る際にキャップを被る。


入って来た入り口とは別の所から出て、楓に教えてもらった場所へと急ぐ。


いかにも、薬の受け渡しをしてそうな路地裏。


そこには、2人の人間が居る。


ビンゴか、、、


あたしは息を潜め、物陰から彼らの様子を伺う。


薬を出した所を写真に撮る。

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