シークレットガール
椿の部屋の灯りがついているのを見て、あたしは中へと足を進めた。


「リン」


チャイムを押すと、突然来たあたしに嫌な顔をせずに部屋へと上げてくれた。


「また、そんな格好して。女の子なんだから、お洒落の1つでもしなさいよ」


コーヒーを入れながら、そう言う。


ホント、椿は母親に似ている。


別にいつも、こんな格好をしているわけじゃない。


スカートなんて、制服以外で穿かないが、、、


「これ、返しておいて」


2つのコーヒーカップを持ってきた椿に言う。


椿は何のことかわかったようで「明日、持って行くわ」と答えた。


椿が入れてくれたコーヒーを飲む。


おいしい、、、


ただのインスタントコーヒーなのに、そう思うのは誰かが入れてくれたからなのだろうか。

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