シークレットガール
どれくらい、こうして居たかはわからない。


上から寝息が聞こえて、あたしは目を開けた。


ベンチに寄りかかり、寝ている陸。


「寝てるし」


無防備すぎでしょ。


全国ナンバー1の族の頭にしては、、、


いつ、どこで、誰に襲われるかわからないっていうのに。


こんなの隙だらけじゃん。


この学校に敵なんて、居ないとでも思っているのだろうか。


だとしたら、陸は周りから愛されているのだと思った。


そして、そんな人間とあたしが交わることなんて一生ないと、、、


きっと彼らは光で、あたしは、、、全部を飲み込む闇。


陸とした賭けは、、、


「あたしの勝ちだね」


あたしは、陸を起こさないように保健室を出た。

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