籠の中のプリンセス ~呪われた指輪と麗しの薬師~
しばらくして、ディオンがカイルの使いとともに小屋へ到着した。
彼はアベルの予想通り険しい顔をして、大声をあげる。
「パフィが攫われた理由を知っているそうだが、どういうことだ!」
「落ち着け、今から説明するから」
「待って、カイル。わたしが話すわ」
ティアナはアベルに頼んでカイルとディオンの間に割り込んでもらい、手のひらの上へと移動した。
ディオンはアベルの手のひらにちょこんと乗っている小さなティアナを見て、驚きに目を見開いている。
そんなディオンに、ティアナはワンピースの裾をつまんでお辞儀をした。
「初めまして、ディオン。わたしはコレンタ王女、ティアナと申します」
「王女……? なぜそんなに小さい姿を」
「わたしは呪いにかかっているの。そしてパフィが攫われたのは、彼女がわたしの呪いの一部を持っていたから」
そしてティアナはこれまで起こったことや指輪のことを説明した。
「約束するわ。わたしがパフィを助ける」
「……」
ティアナの言葉に、ディオンは溜息をつく。
「どうやって助けるというのですか。そんな小さな体で。どうやって探すのです」
「あ……」