籠の中のプリンセス ~呪われた指輪と麗しの薬師~


エリアルの名にマクベスが反応を見せ、ティアナは微笑む。


「エリアルから、あなたへの贈り物を預かってきているの。どうか受け取って」


訝し気な表情を浮かべるマクベスの前に進み出る。

そしてティアナが指輪のルビーに触れ、天に向かって手を掲げると、ルビーの中からふわふわと淡い色の映像が浮かび上がった。


マクベスは目を見開く。

映像には、どれも2人の人物が映し出されていた。



鎖に繋がれ鐘を鳴らす幼いエリアルと、それを遠くから見つめるマクベス。


マクベスに声をかけられ、驚いた顔をしているエリアル。


マクベスに連れ出してもらい、草原で笑顔を浮かべるエリアル。


そしてマクベスの隣で花嫁衣裳に身を包んで、幸せそうに微笑むエリアル。



次々と現れてはしゃぼん玉のように弾けて消えていき、その度にキラキラとした欠片が地上に舞い落ちる。


マクベスは手のひらに落ちた欠片のひとつをぎゅっと握りしめると、膝から崩れ落ちた。


「彼女が変わっていく姿を見るのが怖かった。俺の手元から消えてしまうその日が近づいてくるのを感じるから……」


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