籠の中のプリンセス ~呪われた指輪と麗しの薬師~
「リュイさんは、わたしたちをサファイアのところへ送ると言っていたわ。ここのどこかに、サファイアがあるのかしら……指輪は反応していないけど」
「この辺りを探す必要がありそうだね。一刻も早く動きたいけど、今日はもう外は暗いし、探すのは明日にしよう」
「そうね……この納屋の持ち主に見つかる前にね」
少し腕が痛み、ティアナは顔をしかめた。
移動したときにどこか打ったのだろうかと、腕に目をやる。
「って、あれ?」
ティアナは腕をさすりながら、違和感に首を傾げる。
ティアナが着ている、白い無地のワンピース。
アベルがハンカチで作ってくれたものだが、なんだか色が微妙に違うような気がする。
「わたし、服……」
「ああ。畑に落ちたときに土で汚れたみたいだったから、新しい服をアベルに作ってもらったんだ」
今洗っているよ、と言ってマルセルは桶の中からティアナのワンピースを取り出し、広げてみせる。
「!?」