城田くん取扱説明書
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私は、思ったよりへこんでいた。
なんだかもやもやして、はっきりしない。
そんな気持ちで埋めつくされる。
「はい、隣の席のひとと、プリント解いて。」
先生の合図で、陽太くんと席をくっつける。
あー、そうだ。国語の時間だった。
一方的に少しだけ気まずい気がして、下を向いてプリントに集中する。
「…田島さん、お願いがあるんだけど。」
陽太くんにそう言われ、顔をあげると、思ったより顔が近くて、心臓が早くなる。