城田くん取扱説明書



「陽太くんは、もしかして。


……私のことが、好きなの?

あ、あの説明書が。【城田くん取扱説明書】っていうのが私の席に置いてあってそれで。

その中で書いてあったというか、その。」


自分で言っておいて、本当に言わなきゃよかったと思う質問だ。

的外れだったら恥ずかしい。
…今の時点ですでに、すっごく恥ずかしいんだけど。


勇気を振り絞ってそう言ったのだけど、なんだかこの空気が耐えられなくて。


「…いや、やっぱり今のは、」

なかったことにして!

そう言おうとしたのだけど、言えなかった。




なぜなら

「ごめん、田島さん。」

そう言う陽太くんに抱きしめられたから。



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