城田くん取扱説明書


「あ、あ、あの、陽太くん!?」



なんで、抱きしめられてるの。

なんで、謝るの。

なんで、そんな苦しそうな顔をしているの。


ぜんっぜん、状況が飲み込めない。




そんな私がパニックの中、陽太くんはゆったりと口を開いた。


「…実はその取扱説明書、作ったの俺なんだ。
田島さんに、俺に興味をもってほしくて、わざとあの朝、机の上に置きました。」


チラッと上を見上げると、陽太くんの真っ赤な耳が見える。

きっと嘘はついてない。





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