城田くん取扱説明書
ぎゅっとさらに、抱きしめる陽太くんの力が強くなる。
「田島さんと仲良くなりたくて。
…というか、田島さんのことが好きだから、仲良くなりたかった。」
どきどきと、心臓の音が伝わってくる。
「…まんまと陽太くんの仕掛けた罠に、かかっちゃったよ。
あんな面白そうな説明書を置かれたら興味をもたないわけが、ないじゃん。
……好きだよ、陽太くん。」
そう言って、私も陽太くんの背中に手を回しぎゅっと力をこめた。
私のその言葉を聞いて、陽太くんは
「やばい、すっごい嬉しい。
…那加、好きだよ。」
と言って、今までで一番嬉しそうな笑顔で微笑んだ。
end