private lover / another view
 「彩並が好きな奴って学校にいるの?」

 「あのね……星哉クン…………ミッキーだと思う」


 目を大きく見開いて、星哉クンの動きが止まる。


 「まっマジ……かよ……」

 「寿クン……ミッキーのこと、好きだって言ってた」


 告げ口してる自分がすごいイヤだ。

 なのに、一人で黙っておくなんてできないよ……


 「金曜日に寿クンのトコ行ったでしょ? あのとき入れて貰えなかったんだ。
 でも……ミッキーにはすぐに電話があったみたいで、
 ウチのことおいて戻って行っちゃったの」





 星哉クン、ごめんなさい。

 ウチが黙ってたら、星哉クンは悩まなくってすむのに。





 「教えてくれてありがとな……」


 声が、沈んでる。



 「俺、帰るわ」



 ごめんなさい。


 「うん」



 一人じゃ……耐えられない……

 相手がミッキーなんて、ショックで…………




 カチャって、部屋のドアが鳴った。


 「あのっ星哉クン……ミッキーは……ウチのために……」


 今頃、遅い?


 「知ってる」



 どうすればいいんだろう……

 星哉クンは帰って行った。

 明後日、学校で寿クンやミッキーと会う。

 ウチきっと、普通じゃいられないよ………
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